法律コラム
性格の不一致、モラハラ、セックスレス…これで離婚はできるのか?婚姻を継続し難い重大な事由とは【離婚への道】第14回
家事裁判を得意としている水谷弁護士によるコラム【離婚への道】。
これまでは離婚への手続きや方法などをお伝えしてきましたが、ここからはより具体的な離婚事由について。
「性格の不一致は離婚事由なんですよね?!」「モラハラで離婚できますよね??」
こう言った事例を出しつつ、「これって離婚できますか?」というお問い合わせが非常に多いのが現状です。
「私の離婚請求は、裁判上認められますか?」という意味合いでしたらお答えすることができますが、多くの方はそういった意味では聞いておらず、「相手は離婚に応じるでしょうか?」という真意であることがほとんど。どんな事由であれ、相手と合意できていれば離婚はできるのです。
離婚について合意がとれていない場合に、「法律上離婚できるか」=裁判上離婚請求が認められるか、がはじめて問題になります。
そこで裁判上認められる5つの事由について、それぞれ解説してまいりました。
不貞(記事はこちら)や生死不明・強度の精神病(記事はこちら)、そして今回は5号にあります「婚姻を継続し難い重大な事由」について。
一体、どう言った事由なのでしょうか。
婚姻を継続し難い重大な事由とは?
継続し難い、これは典型例は長期間の別居をいいます。
①婚姻関係が完全に破綻
②回復の見込みがない
というようなレベルでの破綻が必要となります。
性格の不一致やモラハラなども原因の一つとはなりますが、それだけでは決定打とならず、一定期間の別居と相まって婚姻破綻とみられることが多いです。
個別の事案は裁判官の判断によるほかありませんが、婚姻中における両当事者の行為や態度、婚姻継続の意思の有無、子の有無、子の状態、双方の年齢や健康状態、性格職業、資産収入など、婚姻関係にあらわれた一切の事情を考慮して定められているとされています。
よくいう「性格の不一致は離婚原因」というのは、性格の不一致が離婚の理由に当然なりうるという意味であって、「性格の不一致=離婚裁判で勝てる」ということではないのです。
DVやセックスレス、金銭問題、お酒に賭博…これらはどうなるの?
ほかにも離婚事由となり得る具体例は、以下の通りです。
・日常的に度重なる暴力や虐待、侮辱行為がある場合(精神的、肉体的DV)
・過度な飲酒、賭博を重ね、勤労意欲に欠けている場合
・同性愛や性交不能であることを秘密にして結婚した場合
・相手の嫌がる特異な性交渉を強要する場合
・親族との不仲が原因で夫婦関係に亀裂が入っている場合
・家庭を顧みないなど、過度な宗教活動がある場合
・犯罪行為による服役があった場合
・浪費、金銭問題
・セックスレス
これらはいずれもこれのみで離婚事由として成り立つというではなく、別居や複数の事情を総合して離婚事由が認定されます。
しかし、お互いの努力や妥協などによって改善されると判断されれば、離婚は認められませんので、何が何でも離婚したい場合には、破綻している夫婦関係と、改善不可能であるという立証が必要となるのです。
どれひとつ同じ夫婦も、同じ離婚もありません
「これって離婚できますか?」と一人で悩む前に、一度ご相談されることをおすすめします。
まずは困りごとの内容を簡単に伝えるだけで大丈夫です。
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*この記事は2018年12月の記事を再構成しています
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