法律コラム

国際離婚、日本で手続きが「できる」「できない」の違いとは【離婚への道】第15回 

国際離婚、日本で手続きが「できる」「できない」の違いとは【離婚への道】第15回 

2021.11.10

家事裁判を得意としている水谷弁護士によるコラム【離婚への道】。
これまでは離婚への手続きや方法などをお伝えしてきましたが、ここからは国際離婚について。
 
昨今、外国人との結婚が増加していますが、それと同時に、離婚問題が比例して増加傾向にあり、当法律事務所へも外国人と結婚した日本人、日本人と結婚した外国人の方からの離婚相談も増えてきています。
国が違えば法律も異なるので、トラブルが多いのも事実。
そこで、まず国際離婚を考える上で、押さえておくべきポイントを整理します。

日本で離婚手続きができる場合は、どんな時か

国際離婚は、次の3つの点をきちんと押さえる必要があります。
  
①日本で離婚手続(離婚裁判)ができるかどうか=裁判管轄が日本にあるか
②日本の法律が適用になるか
③日本での離婚の効果が外国にも及ぶのか
  
最近では海外勤務や留学などで海外を拠点に活動する日本人も増えていますので、その場合、日本人同士の結婚でも相手が海外にいる場合には、同様の問題が生じることがあります。

配偶者が日本に住所がある場合は、日本で離婚手続きができる

まず最初に考えなければならないのは、日本で離婚の裁判手続ができるかどうか。
原則、日本人であろうと、外国人であろうと、相手の住所が日本にあれば日本で離婚裁判ができます。
  
これが原則でしたが、平成31年4月から新たな法律が施行され(法務省HP:人事訴訟法・家事事件手続法)、日本の裁判所が管轄を持つ場合が拡大されました。
 
夫妻の双方が日本国籍を有する場合は、相手が外国にいても、日本の裁判所に管轄があることが明文化されました(人事訴訟法(人訴法)第3条の2第5号)。
これは、双方が日本国籍を有する場合、日本語で手続きを行える日本の裁判所で訴訟を行うことが、双方の便宜であるからです。
 
また、配偶者が外国籍であっても、日本でともに暮らしていたあとで単身赴任した、すなわち、夫妻の最後の共通の住所が日本であったのであれば、日本で離婚訴訟をすることが可能です(人訴法第3条の2第6号)。
 
そのほか、「日本の裁判所が審理及び裁判をすることが当事者間の衡平を図り、又は、適正かつ迅速な審理の実現を確保することとなる特別の事情があると認められるとき(人訴法第3条の2第7号)」という規定の「特別の事情」がある場合には、日本が裁判管轄を持ちます。

日本の法律が通用するかどうか、そうでない場合は?

日本の法律が適用されるのは以下の2つです。
①夫婦のどちらかが日本人
②夫婦のどちらかが日本人ではないが、共通の住居地が日本である場合 
 
相手(もしくは自分)の現在の居住地が外国であった場合、協議離婚を認めているか、調停離婚でもいいのか、裁判離婚が必要なのかによって、取るべき手続きは異なります。
  
日本以外で離婚が成立すれば、その国の日本大使館などで日本の離婚手続を。日本で外国人の離婚が成立すれば、日本のその国の大使館で離婚を届け出る必要があります。
  
「離婚を成立させる」ことと、「届け出る」ことが異なるのが国際離婚の難しいところ。
わからなくなったら、まずはぜひ一度、法律家にご相談ください。
日本でも、国際離婚の相談をできるところは、少しずつ増えてきています。

英語対応可能ですので、国際離婚もご安心ください

まずは困りごとの内容を簡単に伝えるだけで大丈夫です。
詳しいことはお会いしてからゆっくりとお話を伺います(初回の相談料はいただいておりません)
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*この記事は2019年1月の記事を再構成しています

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