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【ショートストーリー相続編】自筆証書遺言①

【ショートストーリー相続編】自筆証書遺言①

2020.03.10

法的な解決だけでは終われないドラマがある。

一見、書類だけでは無機質に思える裁判結果にも、その背景には様々な人生模様が隠されているのです。当事務所の水谷が日々扱う事例を取材し、それを元にフィクションでショートストーリーを作成しました。
仲のよかった兄弟が相続を機に、いざこざに巻き込まれるのはよくある話。
しかもそれをこじらせるのが本人同士ではなく…配偶者の存在。
今回はそんな争族についてのお話です。
3話完結となっております。ぜひシリーズでお楽しみください。

「自筆証書遺言」に書かれていた衝撃のひと言

両親は昔から弟に甘かった。
特に母は溺愛していた。
それは女性の心理としてわからなくもない。
長男である私は第一子ということもあり、厳しく育てられしっかりとした教育環境を与えてもらった。
そのおかげで大手企業にも就職でき、結婚して自分で家を構え、
今の安定した暮らしを得られることができたのだ。

それに比べて弟は成績も運動もいたって普通。
何をしても、特別、抜きん出ることはなく、平凡だった。
私とは違って自由に育てられていたし、好きなことをやらせてもらっていた。
大したことをしなくても弟は褒められたし、怒られるのはいつも兄である自分。
あいつの得意なことといえば、人の懐に入ることだろう。
就職も親父のコネと人柄で入れたようなものだ。

小さい頃からそんな環境だったので、今更それについて疑問に思うことなどない。
弟が結婚をする時、実家に夫婦で一緒に住むことになったと聞いても、異論はなかった。

それでも今回のことだけはさすがに疑念を抱かざるを得なかった。

先月母が癌で亡くなった。
2年前に他界した父のあとを追うかのように、78歳で生涯を閉じた。
70歳を超えたあたりから少し足を悪くしていたこともあり、日常生活での弟夫婦の支えはありがたかった。
癌が見つかってから半年は病院での闘病生活。
そこは弟夫婦と交代で、もちろん私も看病に入っていた。

亡くなってから、母の宝石箱から母が書いた遺言、つまり自筆証書遺言が見つかった。
母は昔から達筆で、紛れもなく本人の文字であった。
そこにはこう綴られていた。

「私、遺言者松野恵子は次の通り遺言する

下記の一切の財産を次男である松野裕士(昭和45年2月3日生)に相続させる。」

具体的な項目もすべて綴られていたが、とにかく弟にすべてを譲るという内容だった。(続く)

【もっとよくわかる!法律用語解説】
自筆証書遺言とは
全文を自分で書く遺言のこと。これと方式が異なるものとして「公正証書遺言」「秘密証書遺言」がある。遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書して、印を押さなければならない。他人に代筆をお願いしたものや、パソコンを使用したものなどは無効となる。家庭裁判所に届け出て、検認手続を受ける必要がある場合がある。

この様に世田谷用賀法律事務所では、相続及びこれに関連した家事・人事事件を多く取り扱っています。
家族のことではありますが、法律の力を借りないと解決できないことがあります。
相続事件でお悩みの方、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
では、また次回もお楽しみに!

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