法律コラム

芸能人のスキャンダルと週刊誌報道、「名誉毀損」について【代表コラム】

芸能人のスキャンダルと週刊誌報道、「名誉毀損」について【代表コラム】

2024.01.23

代表弁護士の水谷です。
世の中で注目されている時事問題について、法律に関わる部分で解説したいと思います。
  
昨年末の週刊誌の性的行為強要報道により、ダウンタウンの松本人志さんが「活動休止」を発表しました。
性的行為強要の実態が、事実かどうかはまだわかりません。
しかし、本当ではなかったら、「今回の性的行為強要報道は名誉棄損になるのか?」 を専門家として考えてみたいと思います。

刑法における「名誉毀損罪」とは、どういう時に成立するのか

刑法の名誉棄損罪は、「公然」と「事実を摘示」して「人の社会的評価を低下」させた場合に成立します。
 
つまり、みんなの前で(=「公然」と)、何かを暴露したら、それが事実であってもなくても(=「事実の摘示」)名誉棄損の罪になりうるのです。
 
政治家などの「公人」の場合は、それが事実であれば、「公共の利害」に関する事項であって「公益を図る目的」にあったものとなり、事実であるかぎり名誉棄損は成立しないことになりえます(刑法230条の2)。
 
でも、芸能人のスキャンダルは、何もその人に投票して政治が動くのとは違うので、「公共の利害」でも「公益」でもないですね。
 
そうすると、芸能人の場合には、スキャンダル報道はそれ自体、たとえ本当でもそうでなくても、本来は「名誉棄損」になってしまうのです。

報道内容が事実であっても「名誉毀損」と訴えることができる

今回の松本さんのケースについても、スキャンダル報道があれば、たとえその内容が事実であっても、「名誉棄損だ!」と松本さんは報道機関を刑事的にも民事的にも訴え出ることができることになります。
 
とはいえ、内容が真実の場合には、これを民事刑事で訴える芸能人はほとんどありません。
 
そのことでかえって事実がさらに明るみに出ること、賠償額自体が多額にならないためかと思われます。
 
なお、不倫などのご相談の際、「事実なのだから、不倫の事実を相手の会社に伝えたい!」というご相談を受けることがありますが、同様にこれも(たとえ本当でも)名誉棄損になってしまう行動となりますから、気をつけましょう。

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