法律コラム

「面会交流アプリ」利用について、離婚弁護士が思うこと【代表コラム】

「面会交流アプリ」利用について、離婚弁護士が思うこと【代表コラム】

2023.12.02

代表弁護士の水谷です。
世の中で注目されている時事問題について、法律に関わる部分で解説したいと思います。
  
昨今、面会交流アプリなるものがあるそうです。
 
ウェブサイトには開発、運営に直接的に弁護士が関与したような表記はありませんが、代表者の方からのメッセージには、次のようにあります。
 
「養育費をもらえないことは貧困や経験格差につながります。
両親の離婚が子どものハンデになってはいけません。
そのような思いから生まれました。(中略)
そのためにも養育費と面会交流は子どもへのメッセージであり、継続したほうが良いと考えています。
(DVなどの理由で困難な場合を除きます)
しかし父母の関係などによって、それを妨げられる場合があります。
本アプリはそれを解決します。」
 
面会交流が大切であることや、そのために父母間の調整の困難が面会交流の妨げになっていることについて、問題意識を持っておられることがわかります。
 
本記事は、冒頭記載のアプリを推奨する意図に出たものではありません。

しかし、時代の流れと共に世に現れた、この「面会交流アプリ」について考えたいと思います。

実際に、日程調整のためのアプリやフォームが使われている現状

この面会交流アプリですが、次第に、弊所が取り扱う事案の中で、実際にご当事者様方が利用を検討されたり、また、これに類する仕組み(既存のGoogle FormsやMicrosoft Formsなど)を用いる例も増えてきました。
 
弊所でも、過去に調整のたびにけんかになってしまうお父様、お母様に対し、いわば飲み会調整ツールとして使われてきた「調整さん」や「伝助」を用いることを提案し、これによって「お二人の対立が減った」などという声も実際ありました。
 
弊所が、面会交流支援を行う一般社団法人「りむすび」様と継続的にお仕事をしてきた関係などもあり、弊所は、面会交流ー特にお子さんと離れて生活することになった親御さんからの依頼による案を、継続的にお受けしてきました。

「面会の調整」のためだけに機能するツールの利点とは

中には、「会うべきか、会わざるべきか」といったような、きわめて対立度の高い案件もあります。
 
「面会交流実施そのものの是非」そのものをめぐって争う事件については、一定の時間をかけて、家庭裁判所において調査官の調査に服し、然るべき結論をいただくほかないものもあります。
 
一方、「会うことはOK。問題はその頻度」といった案件では、実際のところ問題となっているのが面会交流の実施にあたっての父母間の調整方法にあった、という場合はとてもよくあります。
 
もともとは同居の夫婦であった父母間では、ついつい「わかってくれるはず」といった思いが勝り、ついついどちらかが言いすぎてしまうとかの問題が起こります。
 
こういった場合、本来面会はOKだったのに「調整が負担だから、もういいや」といった方向に陥ってしまうこともままあります。
 
本来は父母が分かりあって面会の実現ができるのがよいのですが、なかなかそうもいかない。
 
面会交流のアプリは、「ひと言言い過ぎ」の問題を排除して、面会の調整のためだけに機能するツールですから、その意味では、活用に一考の価値があるとは思います。

面会交流の調整にあがってくる議題

実際の面会交流の調整の現場において、特に父母の間で議題となる点を考えてみました。
 
実際はそんなに多くないことがわかります。

・固定日・時間帯を予め決めておくか
・固定日・時間帯がない場合、どちらの親が先に日程・時間帯の発案をするか
・提案を受ける側は、諾否のほかにも、変更の申し入れができるか
・予め合意できた頻度以外に、追加日時の提案ができるか
・固定または調整の上で決まった日時に面会が何らかの事由で行えなくなったとき、代替日を設けるか設けないか
・当日の連絡手段をどうするか(別途LINEやSMSを可とするかどうか)
・子供が二人以上いる場合、一人不可の場合にもう一人について予定した日に行うか、あるいは全体として行わないか
・お泊りOKか、NGか
・(面会とは別に)学校などの行事ごとへの参加ができるか、できないか
 
これらのことをすべてアプリ内では難しいのかもしれません。
(これらのことを解決できるアプリを開発していただける業者さんがあるなら、法律監修しますので協働したいくらいです!)
 

煩わしさが減り面会交流の実施への障壁を下げる?

しかしながら、このうちのいくつかについてでも、決まったプラットフォームの中でやりとりができれば、離れて暮らす父母の間の不要ないざこざは減ります。
 
それは面会交流の実施への障壁をぐっと下げるはずです。
 
そして、それを続けていくうち、結果として上記の点を全部クリアすることにつながる余地は十分にあるだろうと思います。
 
冒頭でもお伝えしましたが、本記事はアプリを推奨する意図に出たものではありません。
 
共に暮らす夫婦だったのだから、本来は直接、自由文でやりとりできるのが理想です。
 
それ何等かの形で難しくなってしまったけれど、お互い「子どもに会いたい」「会わせたい」気持ちは同じ、というのであれば、二人の間の摩擦を減らす仕組みづくりが大切だろう、という思いから、本記事を書かせていただきました。

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