法律コラム

離婚を考えたら、整理すべき3つのポイント②子ども【離婚への道】

離婚を考えたら、整理すべき3つのポイント②子ども【離婚への道】

2021.03.02

春は出会いと別れの季節です。
子どもの進学・進級や新しいスタートの時期に合わせて離婚に進める方も多く、ご相談件数が増える時期です。
まず「離婚」が頭によぎった時に次の3つのポイントから考えると、すっきり理解することができます。
 
①同意があるか・ないか 
②子どものこと 
③お金のこと 
 
今回は一番頭を悩ませる②子どもに関することについて。

まずは親権者をどちらに?

日本では協議・裁判離婚を問わず、夫婦間に未成年の子がいる場合、必ず夫婦の一方を親権者に定める単独親権をとる必要があります。(共同親権への動きもありますが、それはこちらの記事を参照ください)また親権・監護権と2種類あり
 
●親権…未成年の子どもを養育し、その財産を管理し子どもの代理人として法律行為をする権利義務。子どもの身の上に関することや子どもの財産をどのように使うかを決定する権利義務。
 
●監護権…親権の中の「身上監護権(居所指定権・懲戒権・職業許可権など)」のみを取り出した権利義務。言い換えれば親が子どもの近くにいて子どもの世話や教育する権利義務。

離婚時に離婚届に記入しなければならないのは「親権」だけで、監護権についてはわざわざ記入の上で提出することはしません。親権者と監護権者は一致させることが一般的ですが、親権者が監護できない事情がある場合や、親権者でない方が監護権者として適当な場合は別々になることもあり得ます。この場合、子ども名義の預貯金の解約や、子どもを名宛人とする生命保険金の受取などは、親権者でないとできないということになります。

養育費の不払いを防ぐために

子どもを監護する親は、そうでない親に対して、子どもを育てていくための養育費を請求することができます。
養育費は離婚後も “子どもに生活水準の高いほうの父母と同等の生活を維持すること” を理念としています。そのため離婚後の夫妻の収入のバランスによって、収入レベルが接近していれば養育費は低く、収入レベルがかい離していれば養育費は高くなることになります。
 
また、昨今では養育費の不払いが問題になっています。(こちらの記事を参照ください)
離婚時に養育費の取り決めをしたひとり親世帯は、母子世帯で42.9%にとどまり、養育費を受けているのが母子世帯のたった24.3%。
離婚のときに①協議離婚なら公正証書を作成するか②調停離婚・裁判離婚にすることにより、養育費の取決めに強制力を持たせることができます。
裁判所で取り決めたものであれば裁判所に払うよう勧告してもらったり、最終的には給与や預金を差し押さえたりできますが、協議で決めたものだと仮に不払いが起きたとしてもこの様なことはできませんので、必ず公正証書にしておく必要があります。

面会交流のについて、取り決め方や現状

子どもを監護していない親が未成年の子どもに直接会ったり、それ以外の方法で交流する権利のことを面会交流権といいます。
 
●面会交流の決め方
両方の親の話し合いによって、回数(頻度)や時間、場所について決めることが基本。当事者間で取り決めることが難しい場合や、監護している親が応じない場合には、家庭裁判所で面会交流の調停をすることになり、それでも決まらなければ最終的には家庭裁判所の判断(審判)に服することになります。
 
●面会について決めるべきこと
①面会の頻度(月1回、2回など) 
②時間(2~3時間とする、1日とする、宿泊ありとする…等) 
③場所 
④父母間の連絡方法などです。
 
面会交流については親権とは異なり、取り決めないと離婚できないというものでもありませんが、離婚後に話し合う機会があるとは限らないので、離婚する際に基本的なことを決めておく方がベターです。

必ず面会させないといけないの?

面会交流は親の権利でなく ”子どもの権利” です。制限すべき理由がない限り、面会させるべきという考え方が主流です。
ただし
①連れ去りの危険がある場合 
②子への虐待のおそれがある場合 
③監護親への暴力があった場合

等は、家庭裁判所でも面会交流を制限する方向になることがあります。
このほか、子が嫌だと言っている場合は? 養育費が十分に支払われていない場合は? などさまざまな問題がありますので専門家にご相談されることをお勧めします。
 
一方でこのように制限すべき理由がない限りは、できるだけ会わせて子の成長を知ってもらい、その後の進学の費用などできる限りの経済的な協力を促す効果も持つことがあります。
最近では離婚しても二人で育てる「共同養育」という考え方も浸透しつつあり、これまでの「ひとり親」という考え方がかわりつつあります。(共同養育については取材記事がありますのでこちらの記事を参照ください)
 
一つとして同じ離婚・同じ親子関係はありませんので、ネットの情報に流されすぎず、ぜひ一度ご自身の個別の事情をご相談してください。

どういう結果であれ、子どもにとっては2人ともが親であることを変えることはできません。
まずは子どもたちのことを第一に考えて、話を整理し進めていく必要があります。

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この記事は2017年4月5日の記事を再構成しています

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