法律コラム
「串カツ田中」の上手な事業承継について【身近なところの ニュース法律解説】
弁護士の藤間です。
世の中で注目されている時事問題のうち、企業様の関心が高いトピックについて、法律に関わる部分を解説したいと思います。
株式会社串カツ田中ホールディングス(以下、串カツ田中)は、創業者である貫啓二氏と田中洋江氏が中心となり、独自の串カツ文化を全国に広めてきました。
近年、同社は経営体制の刷新と事業承継を積極的に進めています。
本稿では、同社の事業承継に関する取り組みを、会社法の観点から分析します。
経営体制の刷新とガバナンス強化
2022年8月、串カツ田中は「2トップ経営からチーム経営へ移行」することを発表しました。
これは、属人化した経営から脱却し、組織全体での意思決定を強化するための施策です。
具体的には、創業者の貫啓二氏が代表取締役会長に退き、後任として坂本壽男氏が代表取締役社長CEOに就任しました。
この交代は、会社法第362条に基づく取締役会の権限移譲を円滑に進めるためのものと考えられます。
創業者の段階的な役職変更と辞任
創業者の一人である田中洋江氏は、2022年2月に取締役副社長から取締役へ役職を変更し、2025年2月17日付で取締役を辞任しました。
この段階的な役職変更と最終的な辞任は、会社法第339条に基づく取締役の辞任手続きに則ったものであり、権限移譲と業務引継ぎを円滑に行うための戦略的な判断といえます。
子会社間の合併による経営資源の最適化
串カツ田中は、2025年3月1日付で連結子会社である株式会社串カツ田中と株式会社セカンドアローの合併をしました。
この合併は、グループ内の経営資源を集中・有効活用し、新業態の開発を加速させることを目的としています。
会社法第789条に基づく簡易合併の手続きを適用することで、手続きの効率化と迅速な経営判断を実現しています。
事業譲渡によるフランチャイズ展開の強化
2023年6月、串カツ田中は福岡県内の直営店11店舗を株式会社イートスタイルに事業譲渡しました。
この譲渡により、これらの店舗はフランチャイズチェーンとして運営を継続し、経営資源の集中と効率化を図っています。
会社法第467条に基づく事業譲渡の手続きを適切に行い、フランチャイズ展開の強化と企業価値の向上を目指しています。
組織の安定性と成長性を両立
串カツ田中の事例は、会社法に則った適切な手続きを踏まえた事業承継と経営体制の刷新の好例といえます。
特に、段階的な役員交代や子会社間の合併、事業譲渡など、多角的な手法を用いて組織の安定性と成長性を両立させています。
規模に関わらず、役員の交代や世代交代は企業にとって重要な課題です。
適切な事業承継を通じて、企業の持続的な発展を支援してまいります。
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