法律コラム

スタートアップにおける迅速な株主総会の実施方法【スタートアップ企業が知っておくべきこと】

スタートアップにおける迅速な株主総会の実施方法【スタートアップ企業が知っておくべきこと】

2025.02.19

こんにちは、弁護士の藤間です。
  
スタートアップ経営において、株主総会の運営は軽視されがちですが、適切に手続きを進めることが事業の成長をスムーズにする鍵となります。
  
特に、資金調達や重要な経営判断が必要な場面では、迅速に株主総会を開催し、適法に決議を得ることが求められます。
  
しかし、一般的な株主総会の準備には招集通知の送付、議案の策定、議事録の作成など、時間と手間がかかるのが現実です。
  
そこで本記事では、スタートアップにおける株主総会を迅速に行う方法について、法的な視点を交えて解説します。

迅速に株主総会を開催するための基本ルール

スタートアップの多くは、非公開会社(譲渡制限会社)であるため、株主総会の運営を柔軟に行うことが可能です。
  
株主総会の開催をスムーズに進めるためには、以下のポイントを押さえておくことが重要です。
  
①書面決議(みなし決議)を活用
②招集手続きの簡素化
③オンライン総会を導入
④事前の根回しを徹底
 
それぞれのポイントを詳しく解説します。

株主総会を迅速に行う方法① 書面決議(みなし決議)を活用

日本の会社法では、すべての株主が同意すれば、株主総会を開かなくても決議を行うことが可能です(会社法第319条)。これを「みなし決議(書面決議)」と呼びます。
 
みなし決議のポイント
• すべての株主が書面または電磁的方法で同意 すれば、物理的な総会を開催する必要がない
• 決議のスピードが大幅に向上 し、即座に意思決定できる
• 小規模なスタートアップには特に有効
 
例えば、役員選任や増資の決議が必要な際に、あらかじめ株主に合意を取った上でメールや電子署名を活用して承認を得ることで、手続きを効率化できます。

株主総会を迅速に行う方法②招集手続きの簡素化

株主総会の招集には、通常最低でも1週間前の通知が必要ですが、会社の定款で「招集通知の期間を短縮できる」旨を定めておくことで、迅速な開催が可能になります(会社法第299条)。
 
具体的には、定款に以下のような条文を盛り込むことが有効です。
 
「株主総会の招集通知は、開催日の○日前までに発することができる」
 
また、株主との合意があればメールや電子通知で招集することも可能です。

株主総会を迅速に行う方法③オンライン株主総会の導入

特に、複数の投資家が関与するスタートアップでは、オンラインでの株主総会が実施可能か検討すべきです。
 
オンライン総会のメリット
• 遠隔地の株主も参加できるため、迅速な意思決定が可能
• 物理的な会場の準備が不要
• 議決権行使を電子化できるため、手続きのスピードが向上
 
オンライン総会を実施する際は、事前に定款で「オンライン開催を認める」旨を定めておくことが推奨されます。

株主総会を迅速に行う方法④事前の根回しを徹底

どれだけ手続きを簡素化しても、株主の同意を得られなければ迅速な決議は不可能です。
  
そのため、事前に主要株主とのコミュニケーションを密にし、賛成を確保した上で議案を提出することが重要です。
• 事前に株主と合意形成を行う
• 懸念点を事前にヒアリングしておく
• 総会の議案を分かりやすく説明する資料を準備する
  
これにより、株主総会当日に議論が紛糾するリスクを減らし、迅速な決議が可能になります。

スタートアップの成長を加速させるために

スタートアップにおいて、迅速な株主総会の実施は資金調達や経営判断のスピードを上げるために不可欠です。
  
特に、書面決議(みなし決議)・オンライン総会・定款の活用を組み合わせることで、最小限の手間で適法に決議を得ることが可能になります。
  
• みなし決議を活用し、物理的な総会を省略する
• 定款で招集手続きを簡素化し、迅速な開催を可能にする
• オンライン株主総会を活用し、スピーディーな意思決定を行う
• 事前の根回しを徹底し、議論の停滞を防ぐ
    
スタートアップの成長を加速させるためには、法的な手続きをスムーズに進めることが不可欠です。株主総会の開催についてお悩みがある場合は、ぜひ弁護士にご相談ください。

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