法律コラム

同性婚のカップルの子の親子関係を認めた初判決について【代表コラム】

同性婚のカップルの子の親子関係を認めた初判決について【代表コラム】

2024.06.25

代表弁護士の水谷です。
世の中で注目されている時事問題について、法律に関わる部分で解説したいと思います。
 
2024年6月21日、最高裁判所が性別変更後に凍結精子で生まれた子と親子関係認める判決をしました。
 
本件は実質的に「同性婚のカップルの子をカップルの子と認める」ものとなり、注目を集めています。
(参考記事はこちら/NHK News Web「性別変更後に凍結精子で生まれた子と親子関係認める 最高裁
 

これまで法律上、同性婚カップルの子の親子関係を認められてこなかった

実は、同性婚のカップルの子がカップルの子となれるかという点については、数か月前にこのような記事に弁護士としての見解をお伝えする取材記事にご協力させていただいておりました。 (Yahoo!news「ゲイであることをオープンにして生きる『同性カップル』、子をもつ選択をするまでの葛藤 」
  
非常にデリケートな話題でもあり、相応の配慮をした上で、記事作成に取り組みました。
 
このとき、「現行法は、法律上の婚姻外で生まれた子は産んだ母の戸籍に入れるものとしており、男性にしか認知を認めていないから、養子としてとることはできても、カップルの子とすることにはまだまだハードルが高い」という意見を述べさせていただいています。
 
今回の最高裁判例は、このハードルを一つ克服し、実質上カップルの子と認めるものとなり、注目を集めています。

戸籍上の性別にかかわらず、「血縁上の親子関係を基礎にしている」

判決では、
 
「親子に関する法律や制度は、血縁上の親子関係を基礎にしている。
血縁上の父子関係があるのに、戸籍上の性別が女性という理由で認知されなければ、子どもが養育を受けたり、相続人となったりすることができないから、子どもの福祉や利益に反するのは明らかだ」
としています。
    
そして、婚姻関係にない男女の子どもについては、生物学上の父親の戸籍上の性別にかかわらず、認知を求められると判断したのです。
   
本件は、トランスジェンダーの元男性が、戸籍上女性に転換してから、パートナーの女性との間で凍結保存した精子で子をもうけ、これを認知したものです。
   
つまり、認知する父が戸籍上男性でなく女性になっていても、血が繋がっているなら認知を認めるという判決でした。

親の戸籍上の性別にかかわりなく、子の福祉を重視するもの

あくまで、認知の基準に血縁があるかを重視していることがわかります。
その点では、あらゆる同性カップルに二人の間の子を認めたとまで評価できる判例ではまだないかもしれません。
  
昨今ご協力させていただいた記事の内容とは背景が異なるゆえ、記事自体の訂正を必要とするものではないと考えています。
 
しかしながら、今回の最高裁判例は、親の戸籍上の性別にかかわりなく子の福祉を重視するものとしては、エポックメイキングなものとなります。今後の立法への反映が期待されます。

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