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【ショートストーリー離婚編】覚悟の不貞慰謝料請求③

【ショートストーリー離婚編】覚悟の不貞慰謝料請求③

2018.01.27

こんにちは!今日はオリジナルショートストーリー「不貞慰謝料請求」の最終話。
10年目の夫婦を襲ったクライシス。裏切った夫にすがりついている自分に気がついた綾はどんな決断を下すのでしょうか?

私は弁護士に何の相談をしたかったのだろうか。
不貞相手に慰謝料請求をしたところで夫が戻ってくる確証もないし、
たとえ戻ってきたとしても、今さら何もなかったように一緒に生活できるのだろうか…。
 
「夫婦は民法で同居し、助け合わなければならないとされています。でも、同居義務は強制することができません。その意味では、法律はお金で解決することしかできない、とも言わざるを得ません」
水谷弁護士からのこの言葉が頭から離れない。
 
二人とも仕事も遊びも満喫して、お互い楽しんでいた30代はそれで良かった。
子どもがいればまた違っていたのかもしれないが、もう遅すぎる。しかしこの先、40代、50代…と二人でずっと添い遂げられるのか…?
あの生真面目な夫のことだ。そんな一時的な気持ちで浮気をした訳ではないのだろう。
結婚10年目の浮気、夫との関係はその前からすでに破綻しかかっていたのだ。
 
私も無理をしていた。
夫との結婚生活を考える前に、タイムリミットに焦り一人で不妊治療について考え、それを夫に相談もせずにいた。さらに執着心が湧いて自分を追い込んでしまっていたのだ。
 
怒りや憎しみでぐちゃぐちゃだった心が整理され、落ち着きを取り戻した。
自分の頭の中がクリアになり、そして気持ちに踏ん切りがついたのだった。
 
 
翌日、改めて弁護士事務所に連絡をした。
「心を決めました。すべての理由を作ったのは夫とその部下です。そこの代償はしっかりしてもらいたいので、慰謝料請求はしたいと思います。探偵を雇った費用も取り返さなくてはならないので。
でも、夫とのことは慰謝料で解決しないことは、先生のお話でよくわかりました。
夫とは、ちゃんと向き合って話し合い、二人で結論を出したいと思います。」
 
「よく決断されましたね。あとは全てお任せください。綾さんは次の幸せに向かって動き出すのみですよ」
彼女の支えがあれば、私はすぐに立ち直れる。そう確信した瞬間だった。(終わり)
 
法律用語解説:同居義務
夫婦は同居して互いに助け合わなければならないという民法上の義務。婚姻費用、養育費の支払いなどと違って、裁判上の手段では強制ができないものとされている。
 
いかがでしたか?
今回は内面的な話が多くなりましたが、夫婦問題は必ず自分と相手と、正面から向き合わなくては次に進めないのです。それを法律で解決…と言うのはまた別の話なので。次回は水谷弁護士による解説がです。こちらもお楽しみに!

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