法律コラム

日大アメフト部の薬物事件をめぐって、法律家の見解【代表コラム】

日大アメフト部の薬物事件をめぐって、法律家の見解【代表コラム】

2023.08.22

代表弁護士の水谷です。世の中で取り沙汰されている時事問題について、法律に関わる部分で解説したいと思います。
 
日本大学のアメリカンフットボール部の寮から、大麻と覚せい剤が発見されたのにもかかわらず、林真理子理事長が「一切ない」と発言した件。
 
同じ文章を書く立場でも、やはり小説家なのかな、と思わず思ってしまいました。
 
弁護士であれば、「一切ない」のではなく「一切把握していない」とか「一切詳細はわからない」とか、嘘にはならないことを言ったところでしょう。
 
それにしても、大学側は記者会見の準備にあたって、十分に準備をしただろうかと心配になってしまいました。
 
タックル問題や元理事長の脱税問題などを受けて、鳴り物入りで就任した林真理子理事長の会見だけに、少し残念でした。

この件について、弁護士としての見解をお話ししたいと思います。

検挙数が増えている薬物事犯。処罰の重さの違いについて

どれだけ取り締まりが強化されても、なかなか減らないのが薬物事犯です。
薬物検挙事案は平成29年から年間2500件程度を推移しています。
10代の検挙数も上昇しています。
 
薬物と一言に言っても「覚せい剤」、「麻薬(ヘロイン、コカインを含む)」、「大麻」とその種類ごとに処罰の重さは区別されています。
 
懲役刑の重さで言っても、営利目的ではない単純所持で、
 ・覚せい剤は「10年以下」
 ・麻薬所持は「7年以下(ただしジアセチルモルヒネ等=ヘロインは10年以下)」
 ・大麻所持は「5年以下」
と、次第にその重さが区別されています。
 
当然これは依存性の大きさによって区別されたものです。
 
特に10代に広がっているのが罪状の比較的軽い大麻で、外国では合法としているところもあるとか、アルコールよりも依存度は低いとか、さまざまな言い訳がされながらじわじわと蔓延していると言われています。
 
今回の日大の事件では、この比較的罪状の軽い大麻のみならず、同時に覚醒剤もが発見されていましたから、特に事態は重大なものとなりました。

大麻所持は罰せられて、大麻使用が罰せられない理由

なお、「覚せい剤」「麻薬」いずれも、当然「所持」の罪のみならず「使用」も同じ刑罰の重さで処罰されます。
 
ところが、現状の大麻取締法では、なんと「大麻」は、「所持」は処罰されても「使用」は処罰されないことになっています。
 
これは、大麻の使用が「合法」だからではない、というのが重要なことです。
 
今の尿検査では、大麻の陽性反応が出たとしても、それが規制対象である大麻成分(テトラヒドロカンナビノール)を含んでいるのかどうかがわからないから。
 
わからないのに、「含んでいるかもしれない」という理由で罰することはできないから、罰さないとしているだけです。
 
若者への大麻の広がりを受け、現在、この有害成分のみを規制する方向で大麻使用罪を設けることが検討されており、本年にも新設される見込みもあるそうです。
 
日大の件が議論に活性化につながるかもしれませんね。
 
ヘロイン依存の患者を描いた映画として、ミラ・クニス主演の「フォー・グッド・デイズ」というものがあります。

薬物が本人だけではなく家族をも巻き込むものであることを描いた印象深い映画です。よかったらぜひ。

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