法律コラム

法人破産をするとどうなるのか。「破産」に関するよくある素朴な疑問・質問30【弁護士解説】

法人破産をするとどうなるのか。「破産」に関するよくある素朴な疑問・質問30【弁護士解説】

2025.05.05

こんにちは、弁護士の藤間です。
   
企業経営において、破産手続きを選択せざるを得ない状況に直面することは、決して珍しいことではありません。
  
しかし、「破産」という言葉には強いネガティブなイメージがあり、実際にはどのような手続きが行われるのか、不安に感じる方も多くいらっしゃいます。
   
本記事では、弁護士法人 世田谷用賀法律事務所に寄せられる「法人破産に関するよくある質問」をまとめ、わかりやすく解説します。
    
破産手続きに関する疑問や不安を少しでも解消し、冷静で前向きなご判断に役立てていただければ幸いです。
 

会社が破産、税金や従業員はどうなるのか

Q1. 会社が破産した場合、借金はどうなりますか?
  
A. 法人破産手続が完了すると、法人の債務は消滅します。
ただし、代表者が連帯保証人となっていた場合には、個人として返済義務が残るため、別途個人破産や債務整理を検討する必要があります。
  
Q2. 法人破産後、再び会社を設立することはできますか?
  
A. はい、可能です。
法人破産の経験は新たな法人設立の障害にはなりません。
ただし、金融機関との信用取引には一定の影響が残る場合がありますので、事前の戦略が重要です。
   
Q3. 従業員は解雇する必要がありますか?
   
A. はい、通常、破産手続き前に従業員を解雇する必要があります。
未払給与や退職金については、労働者保護の観点から破産手続の中で優先弁済されることがあります。

Q4. 破産すると税金の支払い義務もなくなりますか?
  
A. 法人が破産して消滅すれば、原則として税金の支払義務も消滅します。
ただし、代表者個人が保証している税金債務がある場合は、個人に支払義務が残る可能性があります。

法人破産をするどうなるのか

Q5. 法人破産に免責不許可事由はありますか?
  
A. 法人破産には免責という概念がないため、免責不許可事由は存在しません。
法人は破産手続きの完了により消滅します。
  
Q6. 法人破産と個人破産では、債権者の対応に違いがありますか?
    
A. はい。法人破産では取引先や金融機関など複数の債権者が関与するため、情報管理や交渉対応がより慎重に行われます。
     
Q7. 法人が破産すると、連帯保証人はどうなりますか?
     
A. 法人が破産しても、連帯保証人には債務返済義務が残ります。
代表者が連帯保証人となっている場合、個人破産を検討する必要があるケースもあります。
     
Q8. 借りていた事務所や倉庫はどうなりますか?
    
A. 賃貸契約を解約し、建物を明け渡す必要があります。
リース資産やレンタル契約中の設備も破産管財人が適切に処理します。
    
Q9. 法人破産にも少額管財制度はありますか?
     
A. はい、あります。
法人破産でも資産が少額の場合、少額管財として扱われ、予納金を低く抑えられることがあります。

法人破産をする際の注意点

Q10. 法人破産と代表者個人破産を同時に行う場合、注意点は?
    
A. 法人資産と個人資産を厳密に区別し、金銭の流れを明確にしておくことが重要です。
混同が疑われると、別途責任追及を受けるリスクがあります。
    
Q11. 法人の同時廃止は可能ですか?
   
A. 通常、法人破産では破産管財人が必ず選任されます。
同時廃止(資産なしによる即時終了)は極めて例外的です。
   
Q12. 破産手続きに要する期間はどれくらいですか?
   
A. 通常、破産申立てから終結まで約6ヶ月〜1年程度が目安です。
債権者数や資産の有無によって変動します。
     
Q13. 法人破産をせずに会社を放置しても問題ありませんか?
    
A. 問題があります。
債権者からの取立てや訴訟リスクが続き、代表者個人にも責任が及ぶ可能性があります。
     
Q14. 会社が黒字でも破産できますか?
    
A. 帳簿上黒字でも、支払不能であれば破産申立ては可能です。
資金繰り実態がポイントです。
    
Q15. 法人破産と同時に個人破産も必要ですか?
     
A. 法人と個人は別人格ですが、代表者が連帯保証人の場合は、個人破産を検討する必要があります。
    
Q16. 法人破産後、再び法人設立できますか?
    
A. はい、可能です。
ただし金融機関や取引先の信用には一定の影響を与えるため、慎重な準備が必要です。

法人破産をしてからのお金や借金について

Q17. 滞納していた税金はどうなりますか?
    
A. 法人破産で消滅しますが、代表者が保証している場合、個人として支払う義務が残ることがあります。
      
Q18. 債権者からの取立てを止めることはできますか?
     
A. 破産申立て受任後、弁護士からの受任通知によって取立てを停止させることができます。
    
Q19. 弁護士費用の分割払いは可能ですか?
     
A. 法律事務所によりますが、分割払いに応じる事務所もあります。
当事務所でも柔軟にご相談を承っています。
    
Q20. 破産手続き中に保険金を受け取った場合、その使用は可能ですか?
   
A. 原則として破産財団に組み入れられ、自由に使用することはできません。
ただし一部自由財産として認められる場合もあります。
    
Q21. 一部債権者にだけ返済することはできますか?
    
A. 禁止されています。
債権者間の平等が原則であり、「偏頗弁済」となり無効となります。
    
Q22. 保証人に迷惑をかけずに破産することはできますか?
    
A. 原則困難です。
保証人には債務が残るため、事前に影響を最小化するための戦略が必要です。
    
Q23. 破産管財人を選ぶことはできますか?
    
A. 原則として裁判所が選任します。
どの管財人になったとしても公正な判断をすること、依頼者の主張は申立代理人事務所としてしっかりとお伝えしています。

破産後の流れや生活について

Q24. 破産後、新たな職に就くことはできますか?
    
A. 可能です。法人破産後、就業制限はありません。
ただし個人破産した場合には、一部制限職種が一定期間発生します。
     
Q25. 破産手続中に代表者個人の財産に影響はありますか?
    
A. 法人資産と個人資産は別ですが、保証債務や混同があった場合は影響を受ける可能性があります。
    
Q26. 法人破産の費用はどのくらいかかりますか?
    
A. 弁護士費用と裁判所予納金を合わせ、概ね150万円前後が目安です。
資産状況により増減します。
     
Q27. 破産を申し立てた後に取り下げることはできますか?
     
A. 開始決定前であれば原則可能ですが、裁判所との協議が必要となる場合もあります。
     
Q28. 破産した会社の経営者は信用情報に登録されますか?
     
A. 法人破産自体では登録されません。
ただし、連帯保証による個人信用情報への登録はあり得ます。
     
Q29. 破産により代表取締役の地位はどうなりますか?
     
A. 財産管理権限は破産管財人に移り、代表者は実質的に権限を失います。
     
Q30. 法人破産後に残った資産(備品・車両等)はどうなりますか?
     
A. 全て破産管財人の管理下に置かれ、換価処分されて債権者への配当資金となります。

破産を恐れず、まずは専門家へ相談を

法人破産は、「経営リセット」や「再スタート」のための重要な手続きです。
問題を先送りせず、早めにご相談いただくことが、最善の結果に繋がります。

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