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【男と女の相談室】夫が不貞、慰謝料請求はしたいけど、離婚したくない場合。

【男と女の相談室】夫が不貞、慰謝料請求はしたいけど、離婚したくない場合。

2020.10.13

第10回●里帰り中に夫が不倫。別れるつもりはありません。

法律で解決できること=人生におけるハッピーエンドか、実は必ずしもそうは言い切れないことがあります。

権利やお金を獲得できたとしても、それが本当に自分が望む結果だったのかは、争いの渦中にいると見えにくいことがあります。
ここでは、水谷弁護士がよくクライアント様から受ける相談から、法律論から外れたのお話をお伝えします。多くの人生に寄り添ってきた彼女だからこそ言える、芯の部分が垣間見えると思います。

相談内容■
里帰り出産中に、夫が会社の後輩と不倫していたことが発覚しました。子どもが生まれたばかりなので、離婚するつもりは今のところありません。ただ、出産直後の大変な時期に精神的ダメージが大きく、不倫相手に慰謝料請求をしたいと考えています。(二人の親密な関係がわかる証拠もあります)

水谷の考え■
お辛い思いをされましたね…。せっかく新しい家族が生まれて幸せなひと時を過ごせるはずが、修羅場になってしまった。
このやり場のない怒り、不倫相手に対する慰謝料請求の形で進めていきたいということですね。多くの弁護士事務所が不倫慰謝料の請求に取り組んでいると思いますが、弊所としましては「躊躇なく慰謝料請求に踏み切っていい場合」と、「慎重に考えた方が良い場合」、この2パターンがあるとお応えしています。

不貞の慰謝料請求の現状

配偶者の不貞行為は「離婚事由」です。
だからといって、不貞=「離婚しなくてはならない」、というわけではなく、「離婚することができる」というだけなので、当然、ご相談者様が納得していれば婚姻関係を継続することができます。(こちらの記事も参照ください)

里帰り出産中の不貞。許し難い一方で、ご相談者様のような、これから小さな命を育てていく方の場合はなおさら、離婚しない選択もあって当然です。

よく、芸能人の不倫などで、不倫をされたパートナー側に、記者などが詰め寄り「離婚はしないんですか?!」と聞いたり、「〇〇不倫。妻の〇〇は離婚せず」などと見出しを立てて報道されていますが、至極、失礼な話なのです。
 
実際に不貞の慰謝料裁判になった場合の目安として
・離婚しない場合で50万〜(多くても150万円)
・離婚などに至る場合で(多くても)300万
慰謝料請求は、夫と不倫相手の両方にも、どちらか片方にでもすることができ、ご相談者様のような、離婚は考えておられない方は不倫相手のみに請求することが多いです。

慰謝料請求と婚姻関係の継続、どちらを望むのか

ここで、いつも皆さんにお伝えしていることがあります。
慰謝料請求と婚姻関係の継続、あなたはどちらを望むのか。
不貞相手に慰謝料請求し、慰謝料を取得するということ=不倫を止めさせること、にはならないからです。
 
もちろん、慰謝料請求をきっかけに「妻に対して、申し訳ないことをした」と反省し、不倫をやめて改心された方も大勢いらしゃいます。必ずしもそういう相手ばかりではないのが実情。

慰謝料請求という手段に出ることで、逆上させてしまい婚姻関係を継続できなくなってしまったり、不倫関係の二人をさらに燃え上がらせてしまったり…。慰謝料はとれたけれども「自分が望んでいた結果とは、違う結果になってしまった」という可能性があることを、肝に命じておかなくてはならないのです。

心をつなぎとめておくことはできない

また、よくご相談があるのは、法律で「二度と不倫をしない」拘束力を持たせられないか、というもの。日本の民法は、損害賠償を金銭によることを原則としているので「再度、間違いを犯したら〇〇円」という約束を取り決めることはできるのですが、実際、それを超えて拘束することはできません。
 
離婚事案を多く担当していて、いつも思うことがあります。
離婚や慰謝料のいわゆる家事分野の事案は、ご家庭のことがかかわるソフトな分野でありながら、実は、その中に多様な法律論が含まれており、その一つ一つに丁寧に対処しないと、ベストの結論を導くことはできないのです。
また、そうやって導いたベストの結論であっても、人の心と体を縛ることはどうしてもできないのです。
 
このようなことから、単なる金銭請求としてご案内することにはしておりません。
 
躊躇なく慰謝料請求に踏み切っていいのは「請求しても夫婦関係が揺らがない自信がある場合」か「請求するかしないかを問わず、すでに夫婦関係はこれ以上悪くならない確信がある場合」だけ、とご案内することにしています。
 
弊所では、少なくとも、不倫にせよ、離婚にせよ、「一般的にはこういうことができます」というご案内だけをすることはありません。それぞれ事情も異なりますし、それぞれの人生。多くの選択肢があって当然なのですから、その答えを見つけるお手伝いをさせて頂きます。
 
コロナ禍がやまぬ中ではありますが、原則としてご来所(又はオンライン)による面談の上、ご相談者様のご事情やご希望を個別にお伺いし、「法律的にできること」だけではなく、その方が「したほうがいいこと」と「しないほうがいこと」をきちんとお伝えするようにしています。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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