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【離婚への道】第20回 離婚についてここが知りたい! 面会交流

【離婚への道】第20回 離婚についてここが知りたい! 面会交流

2019.07.22

離婚のあとも、子どもには元夫(元妻)に会わせたほうがいいの?
面会の在り方は、子連れ離婚において、離婚協議を長期化させる最大の要因の一つ。離婚後、子どもと別れて暮らす親と子どもとの面会について、考えてみましょう。

面会交流とは

離婚後、親権者(あるいは、監護者)にならなかった方の親が、別れて暮らしている子どもと会うことをいいます。

面会交渉の時の注意点

日本は、諸外国と異なり、離婚時に未成年の子供について夫婦のどちらかを親権者と定めなければいけない決まりです。
米国をはじめとする諸外国が、離婚後も双方の親に親権を認める「共同親権」の制度は、日本では取られていません。

親権をもつ親が子供と暮らし監護養育することが多いので、そうでない親は、子どもと「面会」しなければ、
子どもとの関係を保ちづらくなってしまいます。これが「面会交流」の問題です。

子どもと同居していない親にとっては、唯一面会できる機会なので、子どもとの面会の要求に力が入りがちです。
「子供に会いたい」という純粋な気持ちと、離婚で争った元配偶者に対する感情的な嫌悪感とが交錯し、気持ちは複雑なものになっていきます。

子どもと同居する親にとっては、日々大変な中で、「いいとこどり」をしてほしくない、面会後子どもの気持ちが元配偶者に流れてしまうのが不安・・・などという理由で、手放しで面会を許すことができず、結果的に様々な理由をつけて面接交渉を拒否する、という状況に陥りがちです。

面会交流をめぐる争いは、このような葛藤から生じています。

子どもにとって、面会ってなんだろう

「面会交流は子どもにとっては、いつもと違う経験、考え方を得ることができる機会」だから子供のため、だから積極的に行うべき、というのが建前です。

物事はそんなに簡単ではなく、家事事件の弁護士として接するのは
①子どもにとっては双方の親と接した方がいいのに、両親の対立が際立ってそれが妨げられているケース
②正直なところ、子どもは一方の親の元である程度安定してきているから、面会ありきではない、と思われるケース
大きくこの2通りあります。
このいずれかを、当事者が、あるいはご当事者に携わる弁護士または裁判所が、適切に把握する必要があります。

面会をすることが適切でない場合

家庭裁判所は、上述の建前のもと、原則として面会を推奨する方向をとっています。
その面会が制限されるのは、①子どもへの暴力、②母親への暴力、③連れ去りのおそれがある
が三大事由です。
そのほか、面会を求める親に覚せい剤の常習状態、過度な飲酒などがあり、面会することが子どもの成長に悪影響を及ぼすと認められる場合には、面接が制限されることとなります。

「子どもが嫌だと言っている」場合が問題となりやすいですが、
これは子供の年齢と状態次第です。
子どもの年齢が低く、一緒に暮らす母親(父親)の影響を受けやすい場合は、「子供が嫌と言っている」のが、親の影響を受けている可能性もあり、会えば嬉しそうだったりすることから、慎重に判断されますが、
子どもが小学校高学年を超え、意思を持ってくると、子ども自らの意向が、尊重されやすくなります。

面会交流は月1回2時間が相場か

「面会交流は月1回2時間が相場とネットで見ました」というご相談は多いです。

会いたいという親と、会わせたくないという親とが面会をめぐって家庭裁判所で調停になり、その葛藤が激しく、まとまらずに審判となった場合には、
家庭裁判所がぎりぎりの選択として一定期間に2時間程度といったような判断を下すことはあります。

しかし、それは「相場」ではありません。
実際は、週1回と主張する親と月1回と主張する親とが対立し、2週間に1回それも丸一日となったり、
はたまた毎週末という約束がされる例もあったり、
平日と休日を併用する約束があったり、長期休みには宿泊をさせる約束があったり・・と、
夫婦によって解決の在り方は本当にさまざまです。

面会交流の留意点

子どもをもう一方の親に「会わせる」ほうの同居親は、
① 普段暮らしていない親に過度な要求をしない。普段とはちがって当然。
② 体調不良、アレルギーなどは必ず伝えておく。
といった配慮が必要になりますし
子どもに久しぶりに会う親には
① 子どもと打ち解けられるように子どもの好きなもの、興味のあるものを持っていく
② 子どもの体調へ注意を払う
③ 予定時間をすぎない
④ 子どもに対して、相手の生活をあれこれ聞かない
といった配慮が肝心です。

相手方が子どもへの面会を拒む場合

なかなか面会が実現しないときは、家庭裁判所に調停を申し立てることができます。
調停で条件を決めたにも関わらず、正当な理由なく拒否される場合は、履行勧告、履行命令の申立てができます。ただし、履行命令は、相手方を執行官が操作して子どもを受け渡させることができるものではないので、会わせないことの罰金を命じ、間接的に履行を強制することにとどまります。

面会交流の調停は、まとまらないと「審判」といって裁判所の判断に服することになります。
昨今、家庭裁判所が面会を取り決めた事案でその後の事件(非監護親が子/監護親に危害を加えるなど)が相次いだこともあり、
家庭裁判所は自らが判断することに極めて消極的で、あくまでご当事者間の合意、調停の形で事案を解決するように導き、
審判に進む事案は決して多くありません。

養育費を払わないなら会わせない、はいいの?

「養育費を払わない(あるいは希望の金額を払わない)なら、面会させたくない」という要望は常にあります。

建前としては、養育費と面会は別個の論点だということになっています。
とはいえ、養育費を一切支払わないような親に面会の交渉・調停が有利に働くことはありません。

なお、子どもの面会について親同士の議論が妥当するのは、一般には、乳児子どもが幼少期~少なくとも小学校くらいの事案です。
これを超えてくると、子どもには子どもの意思がありますので、親の思うようにはなりません。
ただし、年齢が上がってくると、教育と教育に係るお金の問題がありますので、両親が子どもの将来のために必要な支出ができるように、子どもが離れて暮らす親との間にも自分の進路などを共有し、理解する機会が必要なことがあります。

面会交流をめぐる調整については、これを調整するNPOなどの第三者機関が複数あります。
かかる金額も様々ですので、うまく相手方とやり取りできない場合は、調べてみてはいかがでしょうか。

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