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【離婚への道】第8回 子供を連れて家を出てよいのでしょうか

【離婚への道】第8回 子供を連れて家を出てよいのでしょうか

2018.09.05

家を出たい!というとき、子どもを連れて出て行っていいのでしょうか。
この素朴な疑問、なかなか難しい問題をはらんでいます。

子どもを連れて出て行っても罪にならないの?(女性編)

海外の方など、特に、子どもを連れて出ていくことが、子どもの「連れ去り」になるのではないかと悩まれる方が多いです。
ところが、日本は、離婚後にはどちらかの親が単独の親権、監護権を得る(「単独親権」「単独監護権」)ことになることもあり、
結婚・同居中の共同監護の状態で、一方の親が子を連れて出ることが「連れ去り」として法的に問題になるわけではありません。

一方、父か母がすでに単独で子供を監護するようになった状態で、他方がこれを突然取り返す(保育園・幼稚園から連れ去る、下校時に車に乗せるなど)ことは「誘拐」だとされてしまうことがあるので、注意が必要です。

なお、別居に踏み切るのは自由ですが、あまりにも正当な理由がないまま別居した場合、助け合って同居する義務を放棄した「悪意の遺棄」と責められてしまう可能性はあります。
そのため、別居時には「置き手紙」をして、DVやモラハラから逃れるため、相手が不倫しているため、など、自分にはそれなりの理由があることを端的にアピールすることが得策です。

妻が子供を連れて出て行ってしまいそうな方へ(男性編)

妻と話し合う中で、妻が子連れで出ていくかもしれない気配を感じるとき。
現在の日本の家事法制では、これを法的にストップすることは容易ではないのが実情です。
現在の日本では離婚後の共同親権が認められていないので、離婚後はどちらかが子どもの親権者となります。
両方が親権を望んでいる場合、勝手に子どもを同意なく連れて出る「連れ去り」は後を絶ちません。

ひとたび妻が子を連れて出て行ってしまったら、「監護者の指定」「子の引き渡し」の請求を、家庭裁判所に申し立てることはできます。しかしながら、この請求を認めてもらうのは、容易でないのが実態。連れ去った側が監護に不適切ということが立証できないといけなくなります。そして、その立証は、なかなか容易ではないというのが弁護士の実感です。
子どもの親権者は「子どもの利益が最優先」ですが、同時に、「現状維持の原則」があり、子どもが現在落ち着いて生活できているなら、その状況を尊重すべきだ、という考え方があるからです。

子を連れて別居されてしまったら、多くの場合、子に相当回数の面会を求めることくらいしかなすすべがなくなることも。
共同監護を法的な建前としない法制度の是非はありますが、まずは、十分な話し合いを重ね、妻が子を連れて家を出ることを
防ぐことが最重要というほかありません。

別居で一番影響を受けるのは子ども

苦しい思いで子どもを連れて出る親にもその親の理由がありますし、
連れ去られてしまったと憤慨する親にも、またその苦しみがあります。

たとえ親が一人減っても、親が笑っていることが子どもにとって一番いいから、というご意見も多くあります。
たしかに、そのような場合もありますが、ただそれだけで、子どもの生活の変化を正当化することも、またできません。

一方で、二人の親のもとから一人の親のもとでの生活に変わる子どもの気持ちを、
それぞれが忘れてはならないと思います。

離婚をめぐる言い争いの中では、「子」を求めて争う両親の思いが、子への愛情に基づいたものであると同時に、
いつしか相手への当てつけになることがあります。
子の年齢や性別などにもよりますが、自らの意思によらずに突然生活の在り方が変わる子どもの気持ち、
どんなときであっても、お互いが思いやってほしいと思います。

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