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司法書士・高野の【人に聞けない相続問題】
第49回「配偶者に住む家を残したい!2020年から施行予定『配偶者居住権』とは」


Photo by Wynand van Poortvliet on Unsplash

自分の死後も、妻(または夫)には、安心して自宅に住み続けてほしいものです。しかし、配偶者が自宅を相続しても、ほかの相続人が預貯金などの財産を相続したことで、生活費や相続税の支払いに困り、結局は自宅を手放さなければならないというケースがあります。 今回は、そういった問題を解決するために新設される『配偶者居住権』について解説します。

相続財産のほとんどが自宅の場合
配偶者に起こる相続リスク


相続財産のなかで自宅不動産の財産価値が最も高く、その自宅以外の財産としては、少しの預貯金以外にめぼしいものがないというケース は少なくありません。このような場合、相続の際にどのようなことが起こり得るのでしょうか? まず、相続人である配偶者が自宅を相続すると、子どもなど、ほかの相続人に自宅以外の財産である預貯金が渡るため、配偶者は、家はあっても生活費が大きく減ってしまうことになります。また、預貯金の額が相続割合に満たない場合など、預貯金だけでは相続財産が十分に行き渡らない場合、配偶者は自宅を売って分配する 財産に充てることになります。分配財産がなんとか預貯金からまかなえた場合でも、相続税の支払いが必要です。これも払いきれなければ、 自宅を売って支払わなくてはならないでしょう。 延納、物納という方法もありますが、いずれの場合も遺された配偶者は、今後の生活資金が不足したり、住み慣れた家を手放す事態にもなりかねません。このような場合の配偶者の居住権を保護するために考えられ、2020年4月の施行が予定されて いるのが『配偶者居住権』です。これは不動産の所有権を、配偶者が死亡するまで住み続けられる『配偶者居住権』と、子どもなどのほかの相続人が、居住権以外の所有権だけを持つ『負担付き所有権』との二つの権利に分ける制度です。

二つの権利に分けることで
配偶者の負担が大きく軽減 

たとえば、相続財産として資産価値5,000万円の自宅と1,000万円の預貯金があり、相続人は妻と子ども1人というケースでは、法定相続分に従えば、妻が3,000万円、子どもが3,000万円分を相続することになります。 自宅5,000万円を、『配偶者居住権』の資産価値 2,200万円、『負担付き所有権』の資産価値2,800 万円として分けた場合、妻は配偶者居住権の2,200万円と法定相続分との差額の800万円を現預金で受け取れるため、その後の生活の経済的不安も取り除くことができます。配偶者にとってはメリットの大きい制度ですが、 負担付き所有権の相続人にとっては、所有権はあっても、配偶者が生きている間はその家に住むことも、売りに出して現金化することもできず、さらに自分が得られる不動産以外の相続財産も減ってしまうため、トラブルの元になることも考えられます。配偶者長期居住権については、遺言書に書き残しておくだけでなく、しっかり話し合っておくことが必要です。

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