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第5回●相手が発達障害で疲れ果てたので離婚したい

法で解決できること=人生においてハッピーエンドか、必ずしもそう言い切れないのが世の常です。権利を獲得し、お金で解決することができたとしても、それが結果、良かったかどうか…は、渦中にいると見えにくいもの。ここでは弁護士水谷がご相談を受けている際、よくクライアント様から受ける相談の法律外のお話をお伝えします。多くの人生に寄り添って来た彼女だからこそ言える、芯の部分が垣間見えると思います。

■相談内容
付き合っている頃は高学歴だし外資系企業で仕事もバリバリできて、ちょっとこだわりも強いけれど「個性的かな」ぐらいでしか考えておらず、私のことも大切にしてくれていたのですが…。結婚して子どもができて、子育てをしていくうちに疑念が確信に変わってきました。何度、話し合っても全くこちらのことを理解してもらえず、自分のルーティーンを壊されたり、子どもといるときに突発的に何かが起こってしまったりすると対応しきれず、激昂してしまうのです。もうこちらが疲弊しきってしまって…。このままだと共倒れしてしまいそうです。

■水谷の考え
最近、こう言ったご相談に来られる方が増えています。
診断名が付いていなくても、聞いているとASD(アスペルガー症候群)やADHD(注意欠陥多動性障害)、もしくはグレーゾーン。そして、ご自身も相手に振り回されてカサンドラ症候群(相手が発達障害でストレスに陥る二児障害)になってしまっているケースもあります。この方の場合はASDの可能性が見受けられます。

ご相談中にもよく聞く例として
・家計簿をエクセルで、とてつもなく細かく管理され、家計費もあまり十分にもらえない
・夫婦も仕事も同じテンション(時には論破できない長文メール)で連絡してくる
・子育てとなると全て的確な指示を出さないと何もしてくれない

ちょっとした些細なことでも、日常の夫婦間ではストレスが溜まってしまう一方です。

そしてみなさん、おっしゃるのが「結婚するまではわからなかった」という一言。
結婚、妊娠・出産とライフイベントを経験していくうちに、相手の気持ちや空気を読むことが苦手だったり、相手の言葉を理解することが難しかったり、こだわりが強く、突発的に対応できない性質がより濃く出てしまうのです。また、年齢とともに症状や特徴が顕著に現れてしまう傾向もありますので、防ぎようがないのが実状です。

もちろん病院での受診やカウンセリングも勧めますが、もう「離婚したい」とご自身が心に決めていらっしゃるのでしたら…法律的なアドバイスをさせて頂きます。

残念ながら、これだけでは離婚事由として認められません。たとえ、同意を得ようと話し合っても同意はもらえず、交渉にならないので解決にも至りません。ですので、ここは別居をして事実を作るしか方法はないのです。子どものことを思って、決断しきれない方もいるかもしれませんが、とりあえず引っ越しできる資金と働ける環境があるなら、別居してしまうしか、離婚するためには手立てはないと思います。そのためには最低限の経済力を持つか、実家や他で甘えられる環境を作ること。共倒れになって自分も病気になってしまっては取り返しがつきませんよ。