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土地の種類には宅地農地山林などがあります。
文字通り、「宅地」にしか建物は建てられません。

したがって、市場で取引されるのも宅地がほとんどになります。
一方、農地には特別な規制があります。

農地は農地のままでしか売れず、それにも農業委員会からの農地の所有権移転の許可が必要になります(農地法3条)。農地を宅地にして売るには、さらにこれ以外に農地から宅地転用するための許可が必要になります(農地法5条)。

この「農地」の中には、「生産緑地」という制度があります。

「生産緑地」は、農業を継続することを条件に、固定資産税・相続税等の税務上のメリットを受けることのできる農地です。

生産緑地制度は、生産緑地法によって1992年に制定された制度です。
これは、緑地が宅地へと転用されることが増え、住環境の悪化や、土地が地盤保持・保水機能を失ったことで災害などが多発したことを受け、良好な都市環境を形成していこうという目的で制定された土地制度です。

世田谷区は、生産緑地が23区内で練馬区についで並んで多く、区内に86.1ヘクタールに上ります(平成30年度 http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/102/118/329/d00004884.html。練馬区は178.72ヘクタール)。


生産緑地法により、
緑地の環境機能を維持するために、農地として保存すべき土地は保全する「生産緑地」と、
宅地への積極的な転用を進めていくための「宅地化農地」が区別されました。

「生産緑地」は、同法第3条第1項の規定で、具体的には以下のように決められています。

1. 公害又は災害の防止、農林漁業と調和した都市環境の保全等 良好な生活環境の確保に相当の効用があり、かつ、 公共施設等の敷地の用に供する土地として適しているものであること。
2. 500平方メートル以上の規模の区域であること。
3. 用排水その他の状況を勘案して農林漁業の継続が可能な条件を備えていると認められるものであること。


ところが、生産緑地は指定から30年経過すると、市町村への買い取りの申出が可能になることから、生産緑地制度が始まった1992年から30年が経過する2022年に、緑地の多くが宅地に転用、売却され、土地価格が下落するのではと懸念されてきました。

これがいわゆる「生産緑地2022年問題」です。

そのため、2018年、「特定生産緑地の指定」の制度が創設されました。この指定を受けると、買い取りの申出期間がさらに10年間延伸され、税制の特例措置も継続されました。しかも、特定生産緑地の指定は10年ごとに更新可能となっています。

この特定生産緑地制度により、2022年問題の影響は限定的になるのではないかと見込まれています。国土交通省が練馬区と世田谷区の農家を対象にしたアンケート調査でも、60%以上が特定生産緑地の指定を受けると回答しているそうです。